ベナウル伝説 第3話
『仲間』

「あーっよくねた♪」
昨夜はいろいろ悩んだけどやっぱりこんなとこにフールアがいるわけないよね。
「さぁそろそろ行こうか。」
「 よし、いきましょ♪ルークお兄さまっ!」
「なんだよオマエ気色ワルイッ」
「いじゃないっ年上なんだしっ、それに私にはリナって名前があるわっ。」
そんなことを言ってる間にルーアが地図を持ってきてくれた
「どうぞ、地図です。くれぐれも迷わないようにね。」
「OK、ぜったい花をとってくるからっ。」
「そう言って私達はコルムンを後にした。
アフアト山まであと何千kmもある。
私達が向かっているのは次の町“アーリア”
そこには市場などですごくにぎわっている大きな町
でも最近はユキがずっと降っていて野菜などもほとんどとれなくなってしまった。
やっぱりフールアのせい?アーリアもベナウルのようになるの?
そこで私達は新しい仲間に出会うことになる。
「アーリアの町へようこそ。」

迎えてくれたのは私達よりも年上の門番らしき男、
ニコリとも笑わないからかなりこわい、
「こ・・・こんにちは・・・・・・・。」
あの強気なミリーナまでびびってる。
「どうぞこちらへ・・・・・・。」
その男は私達を何やらお城みたいな所へ連れていった。
奥の立派なイスからある女の子があるいてきた。
とても上品でどうやら私と同じ姫らしい、
まったく外に出ていないような白く透き通ったような肌、
そこにふわっとカールした金色に輝く髪、
ビー玉のような瞳、バラ色の唇、

誰もがため息をついちゃうくらいキレイなお姫様らしき女の子が私達に話しかけてきた。
「話は聞きました、あなた方は遠いベナウルの方から旅をなさってきたんですね?」
すごい丁寧な言葉遣いだ、私とは反対のタイプだなぁ。
「私もあなた方と一緒に旅がしたいわ・・・いつもいつもお城の中では退屈してしまうもの・・・。」
私達といっしょに?
「ルナ様?!何をおっしゃっているんですか!」
奥からピアスをつけた女の子が出てきた、女の子っていうより女の人って感じかな・・・。
少し目つきワルイかも・・・・・。」
「お願いアルテミス、ね?ウラヌスもいいにしてちょうだい、かならず無事に帰ってきますから。」
二人はだまっている、どうやら門番の男はウラヌスといって女の人はアルテミスというらしい。
「・・・・・・いいでしょう、ルナ様がそこまで言うのなら、ただし私どもも一緒に旅をさせてもらいますよ、いいですね?」
「アルテミス、あなたって最高♪」
こうして私達7人で旅をする事になった。
「7人そろったな。」
アナフッドが笑いながら言った。
初めて笑った?もしかして・・・・・・、
かわいいかも・・・・・・・・・。
「リナというお方・・・明日、街を出ましょう。今日はゆっくり観光でもして行って下さいね。」
ルナさんって本当にいい人、これから一緒に旅できるのかぁ、うれしいな♪
「せっかくだから市場でも行く?」
ミリーナが聞いてきた。
ミリーナが話しかけてきたのってコレが最初かもしれない。
「うん、いいいけどアナフッドは?」
「市場ですか、夜になったらまたココへ来てください。夕食と部屋の用意をしておきますから。」
「いいんですか?!」
ええ、といって微笑んだ。
笑った顔もまたキレイだ。
「では・・・」と言って城(?)を出た。
ウラヌスに案内されて門を出ると坂の下に道が続いている。
その道を下ると市場らしい、さっき私達の来た道とは違う。
「この道をまっすぐ行けば市場に出ますので」
そう言ってウラヌスは言ってしまった。
「じゃあ行きましょ」
ミリーナが歩き出した。
私達3人も並んで歩き始める。
少し道を下るともう人々の声が聞こえた。
昔のベナウルを思い出してしまった。
お父様とお母様がいた頃の活気づいていた街を、この町アーリアも前の町のコルムンもベナウルのようにならないようにしなければ・・・。
そう思うと前みたいに涙は出なかった、
フシギ
「なにボケッっとしてんだ、早く行くぞ」
アナフッドの声ではっとした。
もうみんな私の20メートルくらいまえを歩いている。
「あっ!今行くっ!」
そう叫んで駆けだした。
なんか自然に笑い顔になってしまった。
「何笑ってんだ?」
ミリーナも笑ってる。
「さ、みんな早く行こうっ!」
私はみんなの先頭に立って走り出した。

 

つづく・・・・・。

 

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