「美由。よかったね、修一の近くで。」
となりの席の子がなにげなく話しかけて来た。
「うん・・・。」
くじは修一のとなりじゃなくうしろの席にあたった。
横よりはましだけどそれでもだいぶ意識してしまう。
でもその修一はわたしの近くなのに何も話しかけてこなかった。
前を向いてなにか考えごとしてるみたい。
(亜矢のことをまだ気にしてるのかな・・・。)
放課後。
帰り道でわたしはこんなことを思っていた。
(修一はわたしの近くになったことどう思っているんだろ。)
友達のわたしと近くでうれしいと思っているのかな。
それとも友達としてじゃなくて・・・。
(いや、なにを考えてるんだろうわたし。)
死んだっていっても修一は最近まで亜矢と付き合っていたんだから。
それに今日はなんか修一、考え事してるみたいだったから
そんなこと思う余裕なんかなかったよね。
ふと目をあげると曲がり角のところで修一がこっちをじっと見ていた。
「・・・・・・!!」
わたしは思わず立ち止まった。
ドキドキ・・・。心臓が口から出そうなほど高鳴っている。
(なんで?いつもはこんなのじゃないのに。さっきまで修一のこと考えてたから・・
・?)
修一はゆっくりこっちに歩いてきた。
「美由・・・。話したい事があるんだ。ちょっといいかな。」
「うん・・・。」
とりあえずわたし達はすぐそばの児童公園の中に入った。
修一はベンチに腰かけ、わたしにも座るように言った。
少し歩いたせいかドキドキはおさまっていた。
「・・・話って、なに?」
「う、うん。」と言って修一は黙り込んでしまった。
またなにか考えこんでいるような顔つきになって、
前方にあるすべり台のほうをじっと見つめていた。
わたしは修一の顔を見ていたが、夕日が修一の横顔を照らした瞬間・・・。
ドキン!
胸がまた苦しくなってきた。
(なんで?なんで今日はこんなふうになっちゃうの?)
と、その時修一はやっとその重い口を開いた。
「あのさあ、美由。その・・・。俺の亜矢が付き合ってたの見て、お前どう思ってた
?」
(え?)
以外な言葉にわたしは唖然とした。