『Message To Heaven』
その日、授業が終わり、また、いつものようにメールチェックをした
受信する時、私の心臓は、いつものようなわくわくしたような鼓動ではなく、どちらかといえば、半分おびえたようなものだった
――――メール受信、メール件数2―――――
二件・・・・・・・?
送信者==修一==
「美由、亜矢、本当に死んじゃったのかな、俺、まだ信じられなくて・・・・
美由は亜矢が死んだなんて受け入れられる・・・?
美由は亜矢と小学生の頃からつきあってるんだろ?
なんだろ。。。もう、なに言っていいんだかわかんないや
ごめん、わけわかんないメール送っちゃって」
あ、、、修一、、、やっぱり、落ち込んでるよね
送信者==亜矢==
「こんにちは、美由
美由、今日学校で修一とあったでしょ?
私のこと、なにか言ってた?
なんて、笑っちゃうよね、死んだら何もないと思ったのに、親友に彼氏のこと尋ねてるんだもん
あ、アンタいつもたまにしかメール返事かかないでしょう、
だけど私、死んじゃってそっちのことわからないんだから、これからは毎日メールかきなさいよ
ぜったいだからね」
亜矢のメールは相変わらず死ぬ以前とまったく同じ、
受け取る私はまだ頭の中がごちゃごちゃしてるっていうのに・・・・
修一のメール、どうしようかな、
今日のところは、もう、なにを書いていいのかわからないからそのままにしておこう
あとは亜矢のメール・・・
なるべくいつもどおりに打たなくちゃ
「こんにちは、亜矢
死んだ後も世界があるんだね私もびっくりしちゃった。
修一、今日ずっと落ち込んでたよ。
今、修一からメールが来たの、
いま、そのメールをファイル化して添付するね」
――――送信――――
――――次の日――――
昨日は急すぎてできなかったが、私達の学年で、亜矢のささやかなお別れ会が開かれた
もちろん本人の居ない、さびしいお別れ会
皆で一枚の紙に亜矢へのメッセージをつづっている
亜矢に届くはずがない、とわかっているのに
それを先生が封筒に入れ、グラウンドで燃して、天国の亜矢に届ける、と言っていた
しかし、私はとっさにそれを止めてしまった
「先生!待って!!」
そう私が言った瞬間、皆が私のほうをいっせいに向いた
私は少し恥ずかしくなって、下を向いてうつむいて先生に言った
「あの、、、私、亜矢と小学生からの友達なんです、、、、だから、あの、、あの、わたしが、私が亜矢にその手紙をとどけますから!」
もちろん私はその手紙をパソコンの中にスキャンして亜矢に送るつもりだった。
しかし先生は
「美由さん、あなたの気持ちはわかりますが、この手紙は、みんなの前で亜矢さんに届けてあげたいのです。いっしょに亜矢さんにとどけてあげましょう」
そういわれると、私はもうなにも言う事ができなかった。
そして、亜矢への手紙は煙になって雲の上へと登っていった
みんなはいつまでも、いつまでもその煙を見続けていた
朝から、、お昼のチャイムがなるまでずっと、、、、
その日の夜、、、、いつものようにまた、メールチェック
―――メール受信、メール件数1件―――
送信者===亜矢===
「美由、修一のメール、添付ありがとうね
あと凄いニュースっ!
学年の皆からの手紙が届いたんだっ
もちろん美由のメッセージもあったよ
あ、死んだ後ね、世界っていうか、、、、なんなのかな
とにかく「世界」ってほどのものはないみたい
なんだろう、、、、でも、なんか美由とのメールしかできることがないの
でも受信するとすぐ美由のメールが入ってる
時の流れが違うのかな?」
私はビックリした、
学年全員で燃やした手紙が亜矢に届いていた。。。。
そして亜矢への返事を書いて送った時、あることに気がついた
亜矢とおそろいで買った、チョーカーが光っている
もしかして、送受信するとき、いつも光っていた・・・・?
次の日のメール・・・受信するとき、やはりチョーカーは光っていた